脳神経ナース必見!
【てんかんとけいれんの看護】

あなたは「てんかん」と「けいれん」の違いを説明できますか。
このふたつ、意外に混同してしまうことが多いのではないでしょうか。
今回は、「てんかん」と「けいれん」の看護を学びます。漢字で書くと、「癲癇」と「痙攣」です。どちらも難しい漢字ですね。
本記事は、読者さんよりリクエストを頂きお送りしています。
けいれん(痙攣)とは
1回あるいは連続して起こる筋肉の不随意な収縮、です。筋肉が収縮している「症状」です。そう、「症状」の名称です。
けいれんの種類
けいれんの代表的な種類を示します。
- 強直発作:筋肉が持続的に収縮し続ける
- 間代発作:筋肉の収縮と弛緩を短く交互に繰り返す
- 強直間代発作:はじめに強直、次第に間代発作となる
- ミオクローヌス発作:筋肉が瞬間的にけいれんを起こす
けいれんの原因
けいれんの原因は、脳外性と脳性に分けられます。
脳外性(脳以外の原因で脳機能異常がおこる)
- 熱性けいれん
- 代謝障害(低血糖・電解質異常・子癇)
- 中毒(尿毒症・肝不全)
- 低酸素脳症
- 心因反応
脳性(脳そのものが原因で脳機能異常がおこる)
急性
- 感染症(脳炎・髄膜炎・脳膿瘍)
- 脳血管障害
- 脳腫瘍
- 頭部外傷
慢性
- てんかん(特発性・症候性)
けいれん発作とてんかん発作の関係を図にしてみます。

てんかん(癲癇)とは
てんかんとは、けいれんという「症状」を起こす原因のひとつです。
なんらかの慢性的な原因で脳の神経細胞が異常に興奮するために引き起こされる疾患で、発作を繰り返すもの、とされます。
てんかんの分類
原因の有無による分類
- 特発性:脳に器質病変を持たない
- 症候性:脳に器質病変を持つ
発作型による分類
- 単純部分発作:しびれや幻覚、間代けいれんなど
- 複雑部分発作:手足や口を意味なく動かす
- 二次性全般発作:脳の一部で始まったてんかん発作が脳全体にひろがる(全身けいれん)
- 全般発作:けいれん発作が急に出現する
大切なのは、「症状は全身のけいれん発作だけとは限らない」ということです。
てんかんの薬物治療
次にてんかんの薬物治療をまとめます。
- 抗てんかん薬による抑制発作がてんかん治療の主体
- 抗てんかん薬で70%以上の患者で発作が抑制される
- 2~3年以上発作が抑制されれば、薬の減量・中止が検討されることもある
- 発作型に合った抗てんかん薬の選択が重要
- 1剤から開始し容量を増加、やむを得ない場合2剤目に変更
- 2剤目単剤投与でも発作を抑えられない場合、併用療法となる
主な抗てんかん薬の特徴

けいれん発作時の対応
けいれん発作時の対応を示します。
観察:どのような発作であったか
事故予防
- 転倒・転落
- 嘔吐に伴う窒息・誤嚥
- 舌の咬傷
バイタルサインの確認
- Airway:気道確保
- Breathing:呼吸
- Circulation:循環
➡心電図モニター装着 ※Drcallも忘れずに
けいれんが止まらない場合
➡ジアゼパム投与(副作用:呼吸抑制)
- 酸素投与
- VBM準備
- 気管内挿管 準備
ここまでの学びを踏まえ、けいれん発作時の観察ポイントをまとめます。

タイムリミット「5分」の壁
てんかん重積状態(Status Epilepticus: SE)
「5分以上」発作が持続、あるいは意識が戻らない状態で発作を繰り返す場合は「てんかん重積状態」と診断され、緊急薬物治療が開始されます。
発作が長引くほど脳細胞へのダメージが蓄積し(不可逆的な脳障害)、時間経過とともに抗けいれん薬への抵抗性が増して効きにくくなります。急ぎ静脈ルートの確保に動く必要があります。
けいれん発作時の対応

おわりに
「てんかん」と「けいれん」の看護について、学んできました。本記事が、日々の脳神経看護のお役に立てば幸いです。
ご意見・ご助言などがありましたらお寄せください。







